「朝日新聞」平成22年8月10日 「声」より

中学生 藤本賢人 (神奈川県藤沢市 15)

太鼓で地域とのつながり培う

 父の転勤で、6年間を過ごしたベルギーから日本へ戻り、丸4年になる。帰国後、妹と一緒に町内の太鼓保存会に入った。地元の神社の夏祭りで奉納するため、7、8月には週1回の練習を重ねる。3年目になって、ようやくたたけるようになった。
 大人のメンバーは僕たちに太鼓を指導してくれる。山車をつくり、交通整理もする。僕はふだん、学校以外ではずっと家にいて、あまり外へ遊びに行かなかった。もし、太鼓保存会に所属しなかったら、地域との交流やかかわりはほとんどなかっただろう。
 最近、高齢者の孤立や孤独死、行方不明が問題になっている。原因の一つは地域とのつながりが浅いことだろう。太鼓保存会には小学生からお年寄りまで50〜60人が所属し、ネットワークをつくっている。もちろん、町内のお年寄りが全員参加しているわけではないので、万全とは言えないけれど。
 お年寄りではなくても、将来、孤立する可能性はある。だから、町内の行事には積極的に参加するべきだとおもう。


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