籠岩(カーゴイワ)

籠岩

     やはり畠山重忠の話である。
 鎌倉幕府に出府中の重忠公一行が名坂峠の道を通った際、大雨に沢の水があふれ出し路をふさいでしまった。
 これを見た重忠公は大変なことと家来に命じ、付近の藤蔓(ふじづる)を集め、造らせた籠(かご)に、流れを堰止(せきとめ)ていた岩をいれ、自ら先きだちとなって引き上げ、路を元どうりに治した。
 以来この岩を「カーゴ岩」と呼ぶようになった。


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