白糸の滝(雨乞いの滝)

 上成木群落の滝の上という所に、高さ一丈(三メートル)・幅三尺(九十センチメートル)・滝壺四間(七.二八メートル)・深さ五尺(一.五メートル)の滝があり、流れ落ちるさまが白糸を垂らしたように見えることから白糸の滝と呼ばれ、雨乞いの効き目ありといわれ昔旱魃(かんばつ)時に、雨乞の祈りがささげられたことから別名「雨乞いの滝」とも呼ばれている。
 この滝での雨乞いの儀式は、日照りが続くと、村の男衆は、白糸の滝に集まり、雨乞いの儀式を行いました。 白糸の滝
 男たちは、フンドシ一本で滝つぼに降り、桶でお互いに水を掛けあって雨乞(あまご)いの呪文(じゅもん)を唱えました。
 呪文は、「サンゲ、サンゲ 六根清浄(ろっこんしょうじょう)。コンガラドウジ、セイタカドウジ 南無高水山浪切白不動明王(なむたかみずさんなみきりしらふどうみょう)、愛宕権現(あたごごんげん)……大天狗、小天狗帰命頂礼(きみょうちょうらい)……有間山(ありまやま)ノ黒雲(くろくも)が、雨が三粒(みっつぶ)降ったらば、三日も四日も休むべえ。」などと唱(とな)え、八大竜王(はちだいりゅうおう)の名前を読み上げました。
約一時間ほど祈とうして、滝の水を桶に入れて皆で水山へ向かいました。
 水山の不動堂の山頂には、奥ノ院が祀(まつ)られています。  雨乞いの時には、その前に、高さ約三メートルで人が一人乗れる程度のやぐらが設けられました。  そして奥ノ院の四方に天狗様を祀(まつ)り、やぐらの上には、水を満たした桶を持ったお坊さんが登って呪文(じゅもん)を唱えながら榊で水を周辺にまきました。
 奥ノ院の前の檜には、数人が太鼓を持って登り呪文(じゅもん)を唱えながら太鼓を打ち鳴らしました。


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