山ノ神の岩

山ノ神の岩

  名坂峠を登って行くと、地元の共有山である「里仁会」の山の路傍に「山ノ神」と呼ばれる鋭くとがってそそり立つ岩がある。
 この岩に登ると祟(たた)りがあるといわれていた。
 ある時、共有山の手入に集まった多勢の人の前で、一人の若者が岩に登って小便をした。これを見た年寄りが「馬鹿野郎そういうことをすることが、そもそもおめえはバチが当ってるんだと」とどなった。村の人々が神聖な山の神様としてあがめる岩の上で、小便をしたことに対し若者は大いに反省し、それからは自分よがりでしたことを後悔し、年寄りのいうことをきき、山仕事に精をだしたそうだ。


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